健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

コーヒー [英]Coffee [学名]Coffea arabica L.

概要

コーヒーはエチオピアを原産とするアカネ科の植物で、アフリカおよび東南アジアからマレーシア熱帯地域に分布する。花期は周年で、白色の花をつけ、果実は緑色から熟すと濃赤色になる。成熟果実を採取して果肉を除き、種子の内皮、種皮を除いて焙煎し煮出したものを飲用する。主にカフェイン、ポリフェノール等を含み、10世紀頃からアラブ地方で薬用として用いられ、眠気覚まし等に利用されてきた。現代では嗜好飲料として世界中で飲用され、自律神経系への機能性や抗酸化能など様々な研究がされている。ヒトでの有効性については、直腸結腸がんに対して有効性が示唆されているものの、乳がんや消化管がんに対して効果がないことが示唆されている。また、コーヒーなどカフェインを含む飲料は、精神覚醒に対しておそらく有効であり、低血圧や胆のう疾患、糖尿病、パーキンソン病に対して有効性が示唆されている。安全性においては、適切に摂取する場合はおそらく安全であるが、カフェインを含むため過剰量の摂取は危険性が示唆されている。小児の摂取や妊娠中・授乳中の過剰量の摂取においても危険性が示唆されている。詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・果実は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に区分される (30) 。
・「既存添加物」:コーヒー種子抽出物のカフェインは苦味料等 (78) 。
・コーヒー豆マンノオリゴ糖(マンノビースとして)を関与成分とし、「体脂肪が気になる方に適する」「おなかの調子を整える」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。
・コーヒーポリフェノール(クロロゲン酸類)を関与成分とし、「体脂肪が気になる方に適する」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。
・クロロゲン酸類を関与成分とし、「血圧が高めの方に適する」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・カフェイン、クロロゲン酸、フェルロイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、カフェオール、ジテルペン等を含む (PMID:17884997) (94) 。

分析法

・HPLC-MSにてロブスタコーヒー緑豆中のクロロゲン酸69種類を同定した報告がある (PMID:20681662)
・コーヒー豆数種 (緑豆、焙煎豆) のクロロゲン酸をHPLC法により定量分析した報告がある (PMID:19530715)

有効性








循環器・
呼吸器


一般
・コーヒーなどカフェインを含む飲料は、低血圧に対して有効性が示唆されている (94) 。
・クロロゲン酸類を関与成分とし、「血圧が高めの方に適する」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。
メタ分析
・2015年7月までを対象に2つのデータベースで検索できた前向き研究4報と、スウェーデンの男性41,881名 (45〜79歳) 、女性34,594名 (49〜83歳) を対象に12年間追跡したコホート研究の結果を合わせて検討したメタ分析において、コーヒーの摂取量と心房細動の発症リスクに関連は認められなかったが、試験によるバラツキが大きかった (PMID:26394673)
RCT
・高齢男女7人 (平均67.4歳、イギリス) を対象とした二重盲検ランダム化比較試験において、試験食摂取後にカフェイン200 mgを含むコーヒーを摂取させたところ、食後における直立時の収縮期血圧および拡張期血圧の低下が抑制された (PMID:1898434)
・正常高値〜軽度高血圧の男女37名 (平均58.5±10.7歳、オーストラリア) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、オリーブ葉抽出物500 mg+グリーンコーヒー豆抽出物100 mg+サトウダイコン粉末150 mg含有タブレット2錠/日を6週間摂取させたところ、BMI、血圧 (診察室血圧、24時間血圧、昼間血圧、夜間血圧) 、心拍数、動脈伸展性、空腹時血糖値、インスリン濃度、HOMA-IR、血清脂質 (トリグリセリド、HDLコレステロール、LDLコレステロール、総コレステロール、総コレステロール/HDLコレステロール比) に影響は認められなかった (PMID:25379688)
・コーヒー摂取習慣がある健康な男女74名 (平均38.5±9歳、アメリカ) を対象とした単盲検無作為化比較試験において、クロロゲン酸420 mg (25名) または780 mg (24名) を含むコーヒー400 mL/日を8週間摂取させたところ、血漿抗酸化能 (FRAP) 、血清脂質 (総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド) 、血流依存性血管拡張反応 (FMD) 、血漿NO代謝産物濃度、血圧に影響は認められなかった (PMID:26843588)
その他
・初期冠動脈心疾患患者848名 (男性700名、女性148名、平均59.1±10歳、65.3±9歳、ギリシャ) 、冠動脈心疾患でない男女1,078名 (男性862名、女性216名、平均58.8±10歳、64.8±10歳) を対象とした症例対照研究において、急性冠症候群の発症リスクはコーヒーの摂取量が300 mL/日以下では低下、300 mL/日以上では増加した (PMID:14519815)
・心筋梗塞患者503名 (男性373名、女性130名、平均56±11歳、60±10歳、コスタリカ) を対象としたケースクロスオーバー研究において、コーヒー摂取後一時間以内に心筋梗塞を発症するリスクについてコーヒーの摂取量が1杯/日以下では高まったが、2〜3杯/日以上では減少した (PMID:16837823)


消化系・肝臓

一般
・コーヒーなどカフェインを含む飲料は、胆のう疾患に対して有効性が示唆されている (94) 。
・ドイツのコミッションE (薬用植物評価委員会) では、急性の下痢に対する使用が承認されている (58) 。
・コーヒー豆マンノオリゴ糖(マンノビースとして)を関与成分とし、「おなかの調子を整える」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。
その他
・男性46,008名 (40〜75歳、アメリカ) を対象としたコホート研究において、カフェインを含むコーヒーの摂取は胆石症発症リスクを摂取量依存的に低下させたが、カフェインを含まないコーヒーの摂取ではリスクの低下は認められなかった (PMID:10367821)
・米国在住男女13,938名 (20〜74歳) を対象とした全国健康・栄養調査において、コーヒー摂取は男女ともに胆のう疾患罹患率に影響を与えなかったが、女性の胆のう疾患既往者では再発率が摂取量依存的に低下した (PMID:11117612)

糖尿病・
内分泌

一般
・カフェインを含むコーヒーは、糖尿病に対して有効性が示唆されている (94) 。
RCT
・自転車競技選手の男性10名 (平均26±5歳、メキシコ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較において、運動実施直後にカフェイン5 mg/kg体重またはグリーンコーヒー豆抽出物10 mg/kg体重を摂取させ、経口糖負荷試験を行ったところ、血糖値およびインスリン濃度に影響は認められなかった (PMID:25592006)
その他
・脳卒中、冠動脈心疾患、糖尿病に罹患していない成人男女14,629名 (35〜64歳、フィンランド) を対象とした前向き研究で、コーヒー摂取によりII型糖尿病リスクが摂取量依存的に低下した (PMID:15010442)

生殖・泌尿器

その他
・成人男女14,758名 (平均45歳、アメリカ) を対象とした食事摂取頻度調査において、コーヒー摂取により血清尿酸値が摂取量依存的に低下した (PMID:17530681)
・痛風罹患歴のない男性45,869名 (40〜75歳、カナダ) を対象とした追跡調査において、コーヒーの摂取量が多いと痛風の進行のリスクが低下した (PMID:17530645) (94) 。

脳・神経・
感覚器

一般情報
・コーヒーなどカフェインを含む飲料は、精神覚醒に対しておそらく有効である (94) 。
・コーヒー、紅茶、コーラなどカフェインを含む飲料は、パーキンソン病に対して有効性が示唆されている (94) 。
メタ分析
・2017年2月までを対象に2つのデータベースで検索できた観察研究8報 (コホート研究3報、横断研究5報) について検討したメタ分析において、コーヒーの摂取はうつの発生リスクの低下と関連が認められたが、試験によるばらつきが大きかった (PMID:29500461)
その他
・日系アメリカ人男性8,004名 (45〜68歳、アメリカ) を対象とした追跡調査において、コーヒー摂取によりパーキンソン病のリスクが低下した(PMID:10819950) (94) 。
・女性890名 (平均72.6歳、アメリカ) と男性638名 (平均73.3歳) を対象としたコホート研究において、80歳以上の女性では生涯におけるコーヒー摂取量が多い人ほど認知機能テストの成績が良好であった(PMID:12397002)

免疫・がん・
炎症

一般情報
・コーヒーは、直腸結腸がんに対して有効性が示唆されている (94) 。
・コーヒーは、乳がん、消化管がんに対して効果がないことが示唆されている (94) 。
・ドイツのコミッションE (薬用植物評価委員会) では、口腔内粘膜の炎症に対する使用が承認されている (58) 。
メタ分析
・2017年3月までを対象に、2つのデータベースで検索できた前向きコホート研究7報について検討したメタ分析において、カフェイン入りコーヒー摂取量 (4報) が多いとメラノーマ発症リスクが低下したが試験によるばらつきが大きく、総コーヒー摂取量、カフェインレスコーヒー摂取量 (各4報) との関連は認められなかった (PMID:28891369)
・2016年12月までを対象に2つのデータベースで検索できた観察研究22報 (症例対照研究16報、コホート研究6報) について検討したメタ分析において、コーヒーの摂取量と腎細胞がん発症リスクとの関連は認められなかった (PMID:28892303)
・2016年2月までを対象に4つのデータベースで検索できた観察研究13報について検討したメタ分析において、カフェイン含有コーヒー (4報) の摂取は非メラノーマ皮膚がんのリスク低下と関連が認められたが、カフェイン非含有コーヒー (3報) の摂取による影響は認められなかった (PMID:27388462)
・2015年6月までを対象に2つのデータベースで検索できたコホート研究20報について検討したメタ分析において、コーヒーの摂取量が多いとすい臓がん発症リスクの低下が認められたが、試験によるバラツキが大きかった (PMID:27022386)
・2012年7月までを対象に2つのデータベースで検索できたコホート研究16報、症例対照研究10報について検討したメタ分析において、コーヒーの摂取は乳がん発症リスクに影響は認められなかった (PMID:23308117)
・2011年10月までを対象に4つのデータベースで検索できた症例対照研究またはコホート研究24報について、茶またはコーヒー摂取と食道がんリスクの関連を検討したメタ分析において、緑茶は症例対照研究 (14報) 、中国 (11報) 、女性 (2報) 、アジア (7報) でリスク低下が認められたが、いずれもばらつきが大きく、全体 (16報) では影響は認められず、紅茶 (3報) は影響は認められず、コーヒーはアジア (7報) でのみリスク低下と関連が認められたが全体 (14報) では影響は認められなかった (PMID:2336908)
その他
・13報の前向きコホート研究のデータを用いたプール解析において、コーヒー、砂糖入り炭酸飲料の摂取は、結腸がんの発症リスクに影響は与えず、茶の多量摂取はリスクの増加と関連が認められた (PMID:20453203)
・14報の前向きコホート研究のデータを用いたプール解析において、コーヒー、茶、砂糖入り炭酸飲料の摂取は、前立腺がんの発症リスクに影響は認められなかった (PMID:22194529)
・健康な女性330,849名 (平均50.6±9.8歳、イギリス、イタリア、オランダ、ギリシャ、スウェーデン、スペイン、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、フランス) を対象とした前向きコホート研究において、コーヒーまたは茶の摂取と上皮卵巣がんの発症リスクに関連は認められず、2011年4月までを対象に2つのデータベースで検索できた前向きコホート研究9報について検討したメタ分析においても、関連は認められなかった (PMID:22440851)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

一般
・コーヒー豆マンノオリゴ糖(マンノビースとして)を関与成分とし、「体脂肪が気になる方に適する」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。
・コーヒーポリフェノール(クロロゲン酸類)を関与成分とし、「体脂肪が気になる方に適する」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。
メタ分析
・2015年5月までを対象に2つのデータベースで検索できた観察研究11報について検討したメタ分析において、コーヒー摂取量はメタボリックシンドロームのリスク低下と関連が認められたが、試験によるバラツキが大きかった (PMID:26431818)
・2015年3月までを対象に2つのデータベースで検索できた観察研究23報について検討したメタ分析において、コーヒーの摂取はメタボリックシンドロームのリスク低下 (12報) と関連が認められたが、試験によるバラツキが大きかった (PMID:27060021)

その他

メタ分析
・2013年11月までを対象に、2つのデータベースで検索できた前向きコホート研究17報について検討したメタ分析において、コーヒーの摂取は全死亡率低下と関連が認められたが、試験によるばらつきが大きかった (PMID:25089347)
その他
・健常成人男女10名 (24〜35歳、イタリア) を対象としたクロスオーバー研究にて、180 mgのカフェインを含むコーヒー200 mLまたは180 mgのカフェインを含むカプセルと200 mLの水を摂取させたところ、コーヒー摂取により血小板凝集の抑制およびトロンボキサンB2濃度の低下が認められた (PMID:18439332)
・健常成人男女10名 (24〜35歳、イタリア) を対象としたクロスオーバー研究において、200 mLのコーヒーを摂取させたところ、LDLの酸化を抑制が認められた (PMID:17823423)





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・適切に摂取する場合、おそらく安全であるが、カフェインを含むため、過剰摂取は危険性が示唆されている (94) 。
・有害事象として、頭痛、利尿、胃の苦痛、神経質、嘔吐、不眠症、不安、激越、耳鳴り、不整脈が起こる可能性があり、カフェインの摂取量に伴って変化する (94) 。
・短期間または長期間の飲用は、カフェイン中毒症状である不安やその進行症状であるせん妄、興奮を引き起こす可能性があり、危険性が示唆されている。特に慢性的な過剰摂取は耐用性、習慣性、精神的依存を引き起こすことがあり、カフェイン摂取の突然の中止により身体的禁断症状をもたらすことがある (94) 。
・高血圧でない女性155,594名 (アメリカ) を対象としたコホート研究で、1〜数杯/日のコーヒー摂取は高血圧のリスクを増大させなかった (PMID:16278361)
・消化性潰瘍疾患またはヘリコバクターピロリの治療を受けていない男女447名 (15〜79歳、ドイツ) を対象とした横断研究において、コーヒーの摂取量が3杯/日以上でヘリコバクターピロリ菌の感染リスクが増加した (PMID:9420488)
・健常成人64名 (平均43歳、オランダ) を対象としたクロスオーバー試験において、フィルターを通さず抽出したコーヒー (フレンチプレスコーヒー) を1 L/日、2週間摂取させたところ、血漿ホモシステイン濃度が10%、コレステロール濃度が10%、トリグリセリド濃度が36%上昇した (PMID:10648261)
・関節炎を発症していない成人6,809名を対象とした横断研究において、コーヒーの摂取量とリウマチ因子陽性リスクは相関し、また、関節炎の罹患歴のない成人18,981名 (平均45歳) を対象としたコホート研究において、コーヒーの摂取量が4杯/日以上ではリウマチ因子陽性関節炎を発症するリスクが高かった (PMID:10913061)
<妊婦・授乳婦>
・適度に摂取する場合、安全性が示唆されているが、カフェインを含むため、過剰摂取は危険性が示唆されている (94) 。
・妊娠中の過剰摂取は、流産の危険性が高まる可能性がある (94) 。
・授乳中の過剰摂取は、乳児に睡眠障害、食物不耐性、消化管過敏を引き起こす可能性がある (94) 。
<小児>
・カフェインを含むため、摂取は危険性が示唆されている (94) 。
・成人よりも重篤な有害事象となる可能性がある (94) 。
<その他>
・高血圧症の人は、カフェイン入りコーヒーの摂取により、血圧が上昇する可能性がある (94) 。
・白内障の人は、カフェイン入りコーヒーの摂取により、眼圧が上昇するため、注意が必要である (94) 。
・骨粗鬆症の人は、カフェイン入りコーヒーの摂取によりカルシウム排泄が増加する可能性があるため、注意が必要である (94) 。
・糖尿病の人は、コーヒー中のカフェインにより血糖値が変動する可能性があるため、慎重に使用する (94) 。
・不安障害の人は、コーヒー中のカフェインにより症状が悪化する可能性がある (94) 。
・下痢の人は、過剰量のカフェインの摂取で症状を悪化させる可能性がある (94) 。
・過敏性腸症候群の人は、過剰量のカフェインの摂取で症状を悪化させる可能性がある (94) 。
<被害事例>
【コーヒーに含まれるカフェインによる被害】
・多種の向精神薬を服用している31歳男性 (日本) が、口渇のためにコーラおよび砂糖入りコーヒーを毎日6〜9 L (カフェイン700〜800 mg/日、糖質200〜300 g/日) 摂取したところ (摂取期間不明) 、四肢の疼痛が出現し、自力歩行が困難となり医療機関を受診、コーラおよびコーヒーの多飲が原因と考えられる低カリウム血症性四肢麻痺と診断された (2012098471) 。
・44歳女性 (台湾) が、眠気覚まし目的でブラックコーヒー4カップ (1 L、推定カフェイン摂取量565 mg) を数時間のうちに摂取したところ、6時間後に吐き気、嘔吐、胸部絞扼感、筋痙攣、動悸、茶褐色尿を生じて医療機関を受診。血漿クレアチンキナーゼ、AST、ALTの上昇が認められ、カフェイン過剰摂取による横紋筋融解症と診断され、加療により回復した (PMID:24220878)
・高血圧の既往がある61歳女性 (日本) が、ジョッキ5杯/日のアイスコーヒーを1ヶ月間、これに加えて1.5〜2 L/日のコーラを2ヶ月間 (推定カフェイン量約2,000 mg/日) 摂取したところ、腰部の違和感と四肢近位部の筋力低下を生じ、頭部拳上および歩行困難となり医療機関を受診。低カリウム血症性ミオパチーと診断され、加療とカフェイン含有飲料の摂取を控えることにより回復した (2015300901) 。
【カフェイン摂取による被害】
・双極性感情障害の30歳女性 (アメリカ) が、カフェイン錠剤60錠 (カフェイン相当量24 g) を摂取してカテコールアミンが高値を示し、洞性頻脈、代謝性アシドーシス、高血糖、ケトーシスを引き起こした (PMID:7109204)
・統合失調症を罹患し、薬物、エタノールを乱用していた54歳の男性 (スウェーデン) が、カフェイン錠剤100錠を摂取後、死亡した。検死の結果、慢性肝炎、慢性肺気腫、冠状動脈硬化症を発症していた (PMID:14687776)
・運動選手の33歳男性 (フランス) がエフェドラ40〜60 mg、カフェイン400〜600 mgを含むサプリメントとクレアチン1水和物6,000 mgを含むサプリメントを約6週間摂取したところ、虚血性発作を発症した (PMID:10671124)
【コーヒー浣腸による被害】
・コーヒー浣腸薬は敗血症を引き起こし、電解質異常など重症の有害事象により死に至ることがあるため、浣腸薬として直接腸内に投与する場合はおそらく危険である (PMID:1433763) (94) 。
・進行性乳がんの23歳女性 (メキシコ) がコーヒー浣腸を行ったところ、サルモネラ菌とカンピロバクター菌による複数菌敗血症により死亡した (PMID:6710988)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
【コーヒーと医薬品等の作用に対する影響】
・アレンドロネートとの併用は、アレンドロネートのバイオアベイラビリティを低下させる可能性がある (94) 。
・糖尿病治療薬との併用は、血糖調節に影響を及ぼす可能性がある (94) 。
・レボチロキシンとの併用は、レボチロキシンの吸収を阻害する可能性がある (94) 。
・フェノチアジンや三環系抗うつ薬との併用は、それらを沈殿させる可能性がある (94) 。
・過剰量のコーヒーの摂取は、マグネシウムの排出を増大させる (94) 。
【カフェインと医薬品等の作用に対する影響】
・アルコール、シメチジン、経口避妊薬、エストロゲン、ジスルフィラム、フルボキサミン、メキシレチ、キノロン系抗生剤、興奮剤、テルビナフィン、ベラパミルとの併用は、血清カフェイン濃度の上昇と有害事象を増加させる可能性がある (94) 。
・抗凝血薬、抗血小板薬、それらの作用をもつハーブやサプリメントとの併用は、出血のリスクを高める可能性がある (94) 。
・β‐アドレナリン作動薬との併用は、心変力作用を増強する可能性がある (94) 。
・クロザピンとの併用は、精神疾患の症状を急激に悪化させる可能性がある (94) 。
・エフェドリンとの併用は、高血圧、心筋梗塞、脳卒中、てんかんおよび死に至る可能性があるため、注意が必要である (94) 。
・フルコナゾールとの併用は、カフェインの作用を増大させる可能性がある (94) 。
・モノアミンオキシダーゼ阻害薬 (MAOIs) と過剰量のカフェインとの併用は、高血圧を引き起こす可能性がある (94) 。
・ペントバルビタールとの併用は、催眠作用を阻害する可能性がある (94) 。
・フェニルプロパノールアミンとの併用は、相加的な血圧上昇とカフェイン濃度の上昇をもたらす可能性がある (94) 。
・リルゾールとの併用は、血清カフェイン濃度と血清リルゾール濃度を上昇させる可能性がある (94) 。
・テオフィリンとの併用は、血清テオフィリン濃度の上昇と有害事象を増加させる可能性がある (94) 。
・ビターオレンジとカフェインとの併用は、血圧、心拍数を高める可能性がある (94) 。
・カフェインを含むハーブ・サプリメントとの併用は、カフェイン関連性の有害事象を増加させる (94) 。
・過剰量のカフェインの摂取は、カルシウムの排出を増大させる (94) 。
・コーヒーの摂取を急にやめると、血清リチウム濃度が上昇する可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
・コーヒー:ヒト (男性) 経口摂取7,143 mg/kg (不整脈) 、ラット経口投与2,811 mg/kg (頭蓋顔面奇形、骨格筋奇形) 、ラット経口投与5,622 mg/kg (泌尿生殖器奇形) 、ラット経口投与1,340 mg/kg (新生児成長期) (91) 。
・コーヒー抽出物:ラット経口投与0.5 mg/kg (糸球体) 、マウス経口投与33 mg/kg (生殖器) (91) 。
・インスタントコーヒー液 (カフェイン除去) :マウス腹腔内投与10 mg/kg (神経感覚) (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・焙煎した種子の仁:クラス1 (22) 。

総合評価

安全性

・適切に摂取する場合はおそらく安全であるが、カフェインを含むため過剰摂取は危険性が示唆されている。
・小児は、成人よりも重篤な有害事象となる可能性があるため、カフェインを含むコーヒーの摂取は危険性が示唆されている。
・妊娠中・授乳中は、適度に摂取する場合は安全性が示唆されているが、過剰量の摂取は危険性が示唆されている。
・コーヒー浣腸薬は死に至ることがあるため、浣腸薬として直接腸内に投与する場合はおそらく危険である。
・特定保健用食品は個別に製品ごとに安全性が評価されている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・コーヒーは、直腸結腸がんに対して有効性が示唆されており、乳がんや消化管がんに対して効果がないことが示唆されている。
・コーヒーなどカフェインを含む飲料は、精神覚醒に対しておそらく有効であり、低血圧や胆のう疾患、糖尿病、パーキンソン病に対して有効性が示唆されている。
・ドイツのコミッションE (薬用植物評価委員会) では、急性の下痢と口腔内粘膜の炎症に対する使用が承認されている。
・特定保健用食品では個別に製品ごとに有効性が評価されている。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(78) 改訂 食品添加物インデックス 和名・英名E No.検索便覧 中央法規 社団法人日本輸入食品安全推進協会
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