健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

ベラドンナ 、オオカミナスビ、セイヨウハシリドコロ、オオハシリドコロ [英]Belladonna、Deadly nightshade [学名]Atropa belladonna L.

概要

ベラドンナはヨーロッパ、西アジア、北アフリカ原産で、1〜2 mほどに生長する。ベラドンナの実はサクランボ大の黒色でブルーベリーに似ているため、これと間違えてベラドンナ実を摂取したことによるアトロピン中毒が多数報告されている。俗に、「鎮痛作用がある」「痙攣を抑える」「熱を下げる」「風邪によい」と言われているが、ヒトでの有効性については調べた文献に十分な情報が見当たらない。安全性については、経口摂取はおそらく危険である。ベラドンナは乳汁分泌の減少作用や、ベラドンナアルカロイドの乳汁中への移行が考えられるため、授乳婦が経口摂取することはおそらく危険である。高齢者や小児で重症のベラドンナ中毒症例が多数報告されている。その他、詳細については「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・ベラドンナ根が「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料)」に区分される (30) ため、ベラドンナ根を食品に利用することはできない。また、カナダでも食品に使用することが禁止されている (22) 。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・葉と根にヒヨスチアミン、アトロピン、ベラドニン、スコポラミン、スコポリンなどのトロパンアルカロイドを含む (29) 。

分析法

・ベラドンナ葉および毛根に含まれるヒヨスチアミン、ベラドニン、スコポラミンなどのトロパンアルカロイドをCE/ESI-IT-MS法および逆相HPLC法にて分析した報告がある (PMID:16395790) (PMID:18425749)

有効性








循環器・
呼吸器


・調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

・調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

・調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

・調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

・調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

・調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

・調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

・調べた文献の中に見当たらない。

肥満

・調べた文献の中に見当たらない。

その他

・調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

・調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・経口摂取することはおそらく危険である (94) 。
・ベラドンナの経口摂取により、口渇、嚥下困難、発汗抑制、散瞳、かすみ目、皮膚の発赤および乾燥、体温上昇、頻脈、排尿障害、幻覚、痙攣、急性精神病、痙攣発作、昏睡などを引き起こす可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊婦が経口摂取することはおそらく危険である (94) 。
・ベラドンナは乳汁分泌の減少作用や、ベラドンナアルカロイドの乳汁中への移行が考えられるため、授乳婦が経口摂取することはおそらく危険である (94) 。
<小児>
・小児の摂取はおそらく危険である (94) 。
・アトロピン0.2 mg/kg体重で小児が死亡する可能性がある。ベラドンナ実はアトロピンを約2 mg/粒含むため、2粒摂取で致死量となる可能性がある (94) 。
<その他>
・冠動脈性心疾患、うっ血性心不全、高血圧、不整脈、不安定な心血管状態などの心臓病患者は注意が必要である (94) 。
・ベラドンナの抗コリン作用によって病状が悪化する可能性があるため、尿貯留、前立腺肥大、前立腺閉塞、閉塞性尿路疾患がある場合は注意が必要である (94) 。
・ベラドンナによって神経筋接合部が遮断され脱力や麻痺を生じる可能性があるため、重症筋無力症などの神経筋障害がある場合は注意が必要である (94) 。
・ダウン症候群の患者はベラドンナの抗コリン作用に対して特に感受性が高いと思われるので、注意が必要である (94) 。
<被害事例>
ベラドンナ実をブルーベリーと間違えて摂取したことによるアトロピン中毒が多数報告されている。
・48歳男性 (ドイツ) が、誤ってベラドンナ実を3つかみ分摂取したところ、45分〜6時間後に失見当識、頻脈、収縮期血圧の上昇、散瞳、皮膚紅潮などを生じた。血中アトロピン値が高値 (130μg/L) であったため、ベラドンナ摂取によるアトロピン中毒と診断された (PMID:19586361)
・35〜41歳の3名 (性別不明、フランス) が、ブルーベリーと間違えて摘み取ったベラドンナ実約200 gでパイを作成し、摂取したところ (パイ摂取量等の詳細不明) 、1〜1.5時間後に嘔吐を伴う視力障害、散瞳、毛様体筋麻痺、幻視、躁状態、精神錯乱、筋緊張亢進を伴う昏睡、呼吸困難などを生じた。血中および尿中アルカロイド値が高値であったため、ベラドンナ摂取によるアトロピン中毒と診断された (PMID:8632502)
・55歳男性と54歳女性 (イギリス) が、ビルベリーと間違えて自分で摘み取ったベラドンナ実と種子を入れて調理したパイを半分程度摂取したところ (ベラドンナ摂取量等の詳細不明) 、30分〜1時間後にめまい、吐き気、嘔吐、錯乱、発熱、過度の発汗、視覚障害、口渇などが生じた。尿中アトロピン値が高値であったため、摂取したベラドンナによるアトロピン中毒と診断された (PMID:10944889)
・36歳女性 (スイス) が、ブルーベリーと間違えて摘み取ったベラドンナ実を6粒摂取したところ、翌日にかすみ目、失見当識、興奮、幻覚、頻脈、呼吸困難などの症状が生じ、摂取したベラドンナによるアトロピン中毒と診断された (PMID:19123171)

・26歳女性 (イギリス) がベラドンナを摂取したところ (摂取量等の詳細不明) 、右胸の激しい痛み、発赤、発汗などが生じた (PMID:9456701)
・1996年1月から2003年8月までにトルコの病院に報告された、小児におけるベラドンナ摂取 (摂取量等の詳細は不明) による健康被害は49例で、このうち、6例は無意味な発語や頻脈、散瞳、顔面紅潮などの重度な健康被害であった。5例はベラドンナ実または根の誤食、1例は下痢の治癒を目的としての摂取であった (PMID:14992329)
・リンパ節結核の投薬治療による副作用で黄疸を呈している11歳女児 (モロッコ) が、ハーブ療法の専門家によりベラドンナを与えられ (摂取量不明)、口乾、混乱、無意味な発語、嘔吐、視覚障害、幻覚、意識障害、多呼吸、黄疸の悪化などを生じた (PMID:22655106)
・23日齢男児 (スペイン) に、疝痛のためにベラドンナ含有の駆風剤を推奨量より多く摂取させたところ (摂取量、期間不明) 、ベラドンナが原因と考えられる上室性頻拍症を伴う抗コリン症候群を呈し、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群と診断された (PMID:25169823)
・20日齢男児 (イスラエル) に、疝痛のためにベラドンナ含有ホメオパシーを推奨量摂取させたところ、30分後から発熱、全身性強直間代性発作を呈し、抗コリン症候群と診断された (PMID:24105354)
・63歳女性 (オーストラリア) が、上気道感染症様の症状のためにベラドンナを主成分とする風邪・インフルエンザ用の市販薬を推奨量、数日間服用したところ、頭痛、視力低下、吐き気、嘔吐を呈し、ベラドンナ含有製品による急性閉塞隅角緑内障と診断された (PMID:21040488)
・不眠症でゾクロピンを服用中の50歳女性 (イギリス) が、ベラドンナ製剤 (通常0.5〜2 mL/回) を誤って一度に50 mL (アトロピン15 mg含有) 摂取したところ、混乱、発汗、フラッシュ、頻脈を生じ、アトロピン中毒と診断され、加療により改善した (PMID:26543025)

禁忌対象者

調べた文献に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・ベラドンナは抗コリン作用を増強する可能性があるため、アマンタジン、抗ヒスタミン剤、フェノチアジン、プロカインアミド、キニジン、三環系抗うつ薬などの抗コリン作動薬の抗コリン作用および副作用を増強する可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.LD50 (半数致死量)
・ベラドンナを投与:マウス腹腔内22 mg/kg (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・葉:クラス3 (22) 。

総合評価

安全性

・経口摂取することはおそらく危険である。少量 (3粒程度) のベラドンナ実摂取により死に至る可能性もある。
・妊婦、授乳婦が経口摂取することはおそらく危険である。
・高齢者や小児で重症のベラドンナ中毒症例が多数報告されているため、使用を避ける。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・調べた文献の中に十分な情報が見当たらない。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(29) 牧野和漢薬草大図鑑 北隆館
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(PMID:19586361) Clin Toxicol (Phila). 2009 Jul;47(6):602-4.
(PMID:8632502) J Toxicol Clin Toxicol. 1996;34(1):113-7.
(PMID:10944889) J R Soc Promot Health. 2000 Jun;120(2):127-30.
(PMID:9456701) Complement Ther Nurs Midwifery. 1995 Feb;1(1):11-4.
(PMID:18425749) Electrophoresis. 2008 May;29(10):2112-6.
(PMID:16395790) J Chromatogr A. 2005 Oct 14;1091(1-2):32-9.
(PMID:19123171) Eur J Ophthalmol. 2009 Jan-Feb;19(1):170-2.
(PMID:14992329) Hum Exp Toxicol. 2003 Dec;22(12):665-8.
(PMID:22655106) Pan Afr Med J. 2012;11:72.
(PMID:25169823) Arch Dis Child. 2014 Dec;99(12):1147-8.
(PMID:21040488) Emerg Med Australas. 2010 Oct;22(5):477-9.
(PMID:24105354) Am J Ther. 2014 Nov-Dec;21(6):e196-8.
(94) Natural Medicines
(PMID:26543025) BMJ Case Rep. 2015 Nov 5;2015.

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