健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

アシュワガンダ、ウィザニア、ウィタニア、インドニンジン [英]Ashwagandha、Withania、Ajagandha、Amangura [学名]Withania somnifera Dunal

概要

アシュワガンダは、インド原産の低木で、高さ1.5 mほどに生長する。ヒンズー名は「馬のにおい」を意味する。

●有効性
俗に、「関節炎によい」「不眠によい」「慢性肝炎によい」などと言われているが、人に対しては信頼できる十分な情報が見当たらない。


●安全性
適切に短期間摂取する場合は安全性が示唆されている。授乳中の安全性については信頼できる十分な情報がないため、自己判断での摂取を控えること。


●摂取してはいけない人 (禁忌)
妊婦



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法規・制度

■食薬区分
全草:「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」に該当する。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・アルカロイド (isopelletierine、anaferineなど) 、ステロイドラクトン (ウィタノライド類 (withanolides) 、withaferin類、sitoindoside類など) 、サポニン、鉄などを含む (33) (PMID:10956379)

分析法

・アシュワガンダ中のウィタノライド類をHPLC法にて分析した報告がある (PMID:12628397)
・アシュワガンダ果実中のウィタノライド類およびwithanamide A〜IをNMRにて分析した報告がある (101) (PMID:19957250)
・アシュワガンダ葉中のステロイドラクトンを単離し、NMRにて分析した報告がある (102) 。

有効性








循環器・
呼吸器


・調べた文献に見当たらない。


消化系・肝臓

・調べた文献に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

・調べた文献に見当たらない。

生殖・泌尿器

・調べた文献に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

RCT
・双極性うつ病または特定不能うつ病性障害の患者60名 (試験群30名、平均46.90±10.38歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、アシュワガンダ250 mg/日を1週間、500 mg/日を7週間摂取させたところ、認知機能テストの一部 (数唱課題 (2項目中1項目) 、フランカー課題 (3項目中1項目) 、社会的認知能力検査 (Penn Emotional Acuity Test、 2項目中1項目) ) で改善が認められた。一方、その他の認知機能テスト4課題の結果に影響は認められなかった (PMID:24330893)
・軽度の精神的ストレスを抱える健康な成人男女60名 (試験群30名、平均42.23±2.44歳、インド) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、アシュワガンダ抽出物240 mg /日を60日間摂取させたところ、気分の評価 (ハミルトン不安評価尺度) の改善、血中コルチゾールおよびデヒドロエピアンドロステロン硫酸の低下が認められた。一方、抑うつ・不安・ストレス尺度 (DASS-21)、血中テストステロンに影響は認められなかった (PMID:31517876)
・統合失調症患者68名 (試験群34名、平均45.18±12.90歳、アメリカ) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、アシュワガンダ抽出物250 mg×2回/日を1週間、500 mg×2回/日を11週間の計12週間摂取させたところ、陽性・陰性症状評価尺度 (PANSS) の陰性尺度、総合精神病理尺度、合計点、および自覚ストレス調査票の合計得点の低下が認められた。一方、PANSSの陽性尺度、炎症マーカー (高感度CRP、S100B、IL-6) に影響は認められなかった (PMID:29995356)

免疫・がん・
炎症

・調べた文献に見当たらない。

骨・筋肉

・調べた文献に見当たらない。

発育・成長

・調べた文献に見当たらない。

肥満

・調べた文献に見当たらない。

その他

一般情報
・ストレスに対して、有効性が示唆されている (94) 。





試験管内・
動物他での
評価

・アシュワガンダ葉に含まれるステロイドラクトンのうち、withaferin Aが最も強いシクロオキシゲナーゼ (COX) -2阻害活性を示した (102) 。
・NCI-H460肺がん細胞に対する毒性はwithaferin Aが最も強く、LC50 (半数致死濃度) は0.45μg/mLであった (PMID:21044792)

安全性

危険情報

<一般>
・アシュワガンダを適切に短期間摂取することは安全性が示唆されているが、長期間摂取した場合の安全性に関する信頼できる情報が十分ではない (94) 。
・アシュワガンダを多量摂取すると、胃腸障害や下痢、粘膜や漿膜の炎症を伴う嘔吐をおこす可能性がある (94) 。
・全草は、国内では「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料)」に区分される (30) ため、食品に使用することは認められていない。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中の摂取は、おそらく危険である (94) 。
・授乳中の摂取は信頼できる十分な情報が見当たらないため、自己判断での摂取を控えること (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<病者>
・アシュワガンダ摂取により免疫活性が刺激される可能性があるため、理論的には自己免疫疾患が悪化する可能性がある。そのため、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、関節リウマチなどに罹患している人は使用を避ける (94) 。
・アシュワガンダ摂取により消化管が刺激される可能性があるため、理論的には消化性潰瘍が悪化する可能性がある。そのため、消化性潰瘍に罹患している人は使用を避ける (94) 。
・低血圧症の人または降圧剤を服用している人がアシュワガンダを摂取すると血圧が低下する可能性があるため、使用を避ける (94) 。
・呼吸機能抑制薬を服用している人がアシュワガンダを多量摂取すると、重度の呼吸障害が起こる可能性がある (94) 。
・糖尿病治療薬を服用している人がアシュワガンダを摂取すると低血糖を起こす可能性がある (94) 。
<被害事例>
・健康な32歳女性 (オランダ) がアシュワガンダ抽出物を含むサプリメントを数週間摂取後、増量して摂取したところ (摂取量等不明) 、慢性的な倦怠感など甲状腺機能亢進症の症状が出現。摂取中止により回復したとの報告がある (74) (PMID:1635578)
・28歳男性 (インド) が、アシュワガンダ5 g/日を10日間摂取し、陰部に発疹、灼熱感、痒み、変色などを生じ、6ヶ月前にもアシュワガンダ摂取により同様の症状を呈しており、再摂取検査により、アシュワガンダによる固定薬疹と診断された (PMID:22324179)
・社交不安障害の既往がある20歳男性 (日本) が、処方された抗不安薬等に加え、自己判断で多数の医薬品とともにインターネットで個人輸入したアシュワガンダの摂取を開始。摂取9ヶ月目からストレス軽減を目的に、アシュワガンダを記載されていた推奨用量の2〜3倍に増量して1ヶ月程度継続摂取していたところ、黄疸、皮膚掻痒感を生じて医療機関を受診。肝機能障害のためアシュワガンダの摂取を中止したが症状が遷延し、抗ビリルビン血症の増悪、胆汁栓が認められ、受診前に摂取していた医薬品の中止と加療により改善した。DDW-J2004薬物性肝機能障害ワークショップのスコアリングで8 点 (可能性が高い) と評価された (2017341745) 。

禁忌対象者

・アシュワガンダには堕胎作用があるため、妊娠中は禁忌 (22) (74) 。

医薬品等との
相互作用

<理論的に考えられる相互作用>
・ベンゾジアゼピンとの併用は、薬効が増強する可能性がある (94) 。
・バルビツール酸系や他の鎮静薬との併用は、薬効が増強する可能性がある (94) 。
・甲状腺ホルモンとの併用は、薬効が増強する可能性がある (94) 。
・免疫抑制薬との併用は、薬効が減弱する可能性がある (94) 。
・糖尿病治療薬との併用は、低血糖を起こす可能性がある (94) 。
・抗高血圧薬との併用は、相加作用により低血圧を引きを起こす可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
・アシュワガンダ根粉末を投与:ラット経口 (連続) 120.12 g/kg/4週(91)。
・アシュワガンダ根エタノール抽出物を投与:マウス腹腔内 (間欠的) 2,000 mg/kg/10日 (91) 。
・withaferin Aを投与:マウス経口10 mg/kg、マウス腹腔内 (間欠的) 40〜48 mg/kg/2〜2.5週 (91) 。
・アシュワガンダ根抽出物を投与:マウス経口 (間欠的) 1,500〜1,900 mg/kg/15日 (91) 。
2.LD50 (半数致死量)
・アシュワガンダを投与:ラット腹腔内465 mg/kg、マウス腹腔内432 mg/kg (94) 。
・アシュワガンダ根抽出物を投与:マウス腹腔内681 mg/kg (91) 。
・アシュワガンダ、ハマビシ、ムクナ、Argyreia somniferaの混合物を投与:マウス経口 5,000 mg/kg (PMID:20566442)
・withaferin Aを投与:マウス経口130 mg/kg、マウス腹腔内注射 54〜80 mg/kg (PMID:8619948) (103) (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・根:クラス2b (22) 。

総合評価

安全性

・適切に短期間摂取することは安全性が示唆されているが、長期間使用した際の安全性は情報が不十分である。
・アシュワガンダには堕胎作用があるため、妊娠中の使用はおそらく危険である。
・授乳中の安全性は信頼できる十分なデータがないため、使用を避ける。
・免疫活性が刺激される可能性があるため、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、関節リウマチなどに罹患している人は使用を避ける。
・消化管が刺激される可能性があるため、消化性潰瘍に罹患している人は使用を避ける。
・全草は、国内では「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料)」に区分されるため、食品に使用することは認められていない。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・調べた文献の中に見当たらない。

参考文献

(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(94) Natural Medicines
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances (RTECS)
(PMID:20566442) Pak J Pharm Sci. 2010 Jul;23(3):291-4.
(33) 世界薬用植物百科事典 誠文堂新光社  A.シェヴァリエ
(74) Herbs&Natural Supplements 4th Edition
(101) Tetrahedron.2004;60:3109-21.
(102) Tetrahedron.2003;59:841-9.
(103) Pharm Pharmacol Commun.1999;5:287-91.
(PMID:10956379) Altern Med Rev. 2000 Aug;5(4):334-46.
(PMID:19957250) Phytother Res. 2010 Jun;24(6):859-63.
(PMID:8619948) Acta Oncol. 1996;35(1):95-100.
(PMID:12628397) Fitoterapia. 2003 Feb;74(1-2):68-76.
(PMID:21044792) Phytochemistry. 2010 Dec;71(17-18):2205-9. Epub 2010 Oct 31.
(PMID:1635578) Ned Tijdschr Geneeskd. 2005 Nov 19;149(47):2637-8.
(PMID:22324179) Skinmed. 2012 Jan-Feb;10(1):48-9.
(PMID:24330893) J Clin Psychiatry. 2013 Nov;74(11):1076-83.
(2017341745) 肝臓 2017 58(8) 448-454
(PMID:31517876) Medicine (Baltimore). 2019 Sep;98(37):e17186.
(PMID:29995356) J Clin Psychiatry. 2018 Jul 10;79(5). pii: 17m11826.

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