健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

タマネギ [英]Onion [学名]Allium cepa L.

概要

タマネギは、イランが原産とされ、中空の葉と、それよりやや高く太い中空の花茎をもつ多年または二年草である。日本には明治時代に渡来し、ヨーロッパでは古代から食用、薬用として利用されてきた。薬用部分は鱗茎(胡葱<コソウ>)である。現在、一般に食べられているのは黄タマネギ、赤タマネギ、白タマネギ、小タマネギの4種である。ニンニクと同属であり、イオウ化合物を含む。俗に、「コレステロールを下げる」「血圧を下げる」「血小板凝集を抑制する」などと言われているが、ヒトでの有効性については信頼できるデータが見当たらない。妊娠中・授乳中の安全性については十分なデータがないことから、通常の食事以外からの摂取は避けた方がよい。また、大量摂取で胃腸の不調が起きることがある。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・米国ではGRAS (一般的に安全と見なされた物質) 認定。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・水蒸気蒸留によりタマネギ油が得られる。揮発性油 (主成分はジプロピルジスルフィド) を含む。多くの有機イオウ化合物を含み、そのほとんどはタマネギを切ったり粉砕したりする際にアリイナーゼ酵素の働きにより、より単純なイオウ化合物に変換される。チオスルフィネート、ジフェニルアミン、スルフィド類。

分析法

-

有効性








循環器・
呼吸器


RCT
・高血圧前症または1度高血圧で過体重または肥満の成人68名 (平均47.4±10.5歳、ドイツ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験において、タマネギ皮抽出物396 mg (ケルセチン162 mg) /日を6週間摂取させたところ、血圧 (24時間、昼間、夜間) 、血清脂質 (総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド) 、糖代謝 (空腹時血糖値、インスリン濃度、HbA1c、HOMA-IR) 、高感度CRP、血管機能 (エンドセリン-1、sE-セレクチン、sVCAM-1、sICAM-1、ACE、ADMA、End-PAT検査) 、尿中酸化ストレスマーカー (PMID:26328470) 、レプチン、アディポネクチン、TNF-α、HOMA- adiponectin、肝機能マーカー、腎機能マーカー (PMID:27423432) に影響は認められなかった。
その他
・24名の軽度高血圧患者で行ったクロスオーバー比較対照試験の結果、タマネギをオリーブオイルに浸して得た液を1週間摂取したところ、最大血圧が低下し、血小板や赤血球の凝集などのパラメーターも改善した (65) 。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当らない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当らない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当らない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当らない。

免疫・がん・
炎症

<メタ分析>
・2015年5月までを対象に1つのデータベースで検索できたコホート研究または症例対照研究25報について検討したメタ分析において、ニンニク (10報) 、タマネギ (8報) の摂取は上部気道消化管の扁平上皮がんのリスク低下と関連が認められたが、ネギ属野菜 (7報) の摂取とは関連が認められず、いずれも試験によるバラツキが大きかった (PMID:26464065)
・2014年6月までを対象に3つのデータベースで検索できたコホート研究または症例対照研究について検討したメタ分析において、韓国人によるニンニク (3報) やタマネギ (2報) の摂取は胃がんリスクの低下と関連が認められた (PMID:25339056)
・2014年4月までを対象に1つのデータベースで検索できたコホート研究または症例対照研究16報について検討したメタ分析において、ニンニク (7報) 、タマネギ (6報) 、ネギ属野菜 (4報) の摂取は結腸直腸がんリスクに影響を与えなかったが、試験によるバラツキが大きく、ネギ属野菜の摂取 (3報) は腺腫ポリープのリスク低下と関連が認められた (PMID:24976533)

骨・筋肉

調べた文献の中に見当らない。

発育・成長

調べた文献の中に見当らない。

肥満

RCT
・過体重または肥満の女性37名 (試験群18名、平均44.6±7.6歳、韓国) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、タマネギの皮由来ケルセチン100 mg/日を12週間摂取させたところ、体組成 (体重、BMI、除脂肪体重、体脂肪量、体脂肪率) 、肝機能マーカー (AST、ALT) 、血漿レプチン、アディポネクチン、ビスファチン、TNF-α、IL-4濃度に影響は認められなかった (PMID:27812515)

その他

調べた文献の中に見当らない。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当らない。

安全性

危険情報

<一般>
・通常食事に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全である (94) 。
・抽出物は、適切に摂取した場合、安全性が示唆されている (94) 。
・大量摂取で胃腸の不調が起きることがある (94) 。
・まれにアレルギーを生じることがある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中・授乳中の安全性については十分な情報がないため、通常の食事以上の量の摂取は避けたほうが良い (94) 。
<小児>
・サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
<被害事例>
・他にアレルギー症状のない5名 (23歳、31歳、35歳、39歳、62歳の女性、日本) が、調理時のタマネギによる接触性皮膚炎を示した (1998083620) (1988161112) 。
・32歳女性 (アメリカ) が、5年前より赤タマネギディップを摂取後鼻の掻痒感を経験し、同時期より生タマネギの匂いで息苦しさやパニック症状を起こすようになった。その後、徐々に症状が悪化し、タマネギやニンニクの匂いにより片頭痛を誘発するようになった (PMID:23551212)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当らない。

医薬品等との
相互作用

<試験管内・動物>
・in vitro試験 (ヒト酵素タンパク、ヒト結腸腺癌株化細胞) において、タマネギジュースはCYP3A4活性を阻害した (PMID:28867739)
<理論的に考えられる相互作用>
・抗凝血薬や血小板凝集に影響するハーブとの併用により、出血リスクが高まる可能性がある (94) 。
・糖尿病治療薬との併用で、その作用を強め、血糖コントロールに影響を与える可能性がある (94) 。
・アスピリンとの併用で、タマネギアレルギーを増加させる可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

・抽出物は摘出子宮に対する収縮作用を示す (7) 。
・ラットを用いたジエチルニトロソ尿素 (DEN) による肝がん発がん試験で、ニンニクまたはタマネギに含まれる有機含硫化合物であるイソチオシアン酸イソブチルエステル (100 mg/kg) 、ジプロピルトリスルフィド (150 mg/kg) 、アリルメルカプタン (50 mg/kg) の投与 (5回/週を6週間) が、肝がんの発生を促進した (1995198541) 。
・タマネギ色素は、サルモネラ菌3種 (TA98、TA100、TA1537) に対して変異原性を示した (1999144625) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

・参考文献中に記載なし (22) 。

総合評価

安全性

・通常食事に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全である。
・抽出物は、適切に摂取した場合、安全性が示唆されている。
・妊娠中・授乳中の安全性については十分な情報がないため、通常の食事以上の量の摂取は避けたほうが良い。
・大量摂取で胃腸の不調が起きることがある。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・調べた文献の中に見当たらない。

参考文献

(7) 中薬大辞典 小学館
(23) 天然食品・薬品・香粧品の事典 朝倉書店 小林彰夫ら 監訳
(65) Cochran Library
(1988161112) 皮膚.1987;29(増刊3 ):増152-9
(1998083620) Environmental Dermatology.1997;4(3):231-40
(1995198541) Japanese Journal of Cancer Research.1994;85(11):1067-72
(1999144625) 名古屋市衛生研究所報.1998;44:17-21
(PMID:24976533) Mol Nutr Food Res. 2014 Sep;58(9):1907-14.
(PMID:23551212) Headache. 2014 Feb;54(2):378-82.
(PMID:25339056) Asian Pac J Cancer Prev. 2014;15(19):8509-19.
(94) Natural medicines
(PMID:26328470) Br J Nutr. 2015 Oct 28;114(8):1263-77.
(PMID:26464065)Mol Nutr Food Res. 2016 Jan;60(1):212-22.
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(PMID:28867739) Biol Pharm Bull. 2017;40(9):1561-1565.
(PMID:27423432) Eur J Nutr. 2017 Oct;56(7):2265-2275.
(PMID:27812515) Clin Nutr Res. 2016 Oct;5(4):261-269.

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