健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

シトルリン [英]Citrulline [学名](2S)-2-amino-5-(carbamoylamino)pentanoic acid

概要

シトルリンは、天然に広く存在する遊離アミノ酸のひとつで、スイカ (Citrullus vulgaris) 果汁から分離されたアミノ酸であり、ウリ科植物に多く含まれる。タンパク質中には通常存在しないが、生体内では翻訳修飾後アルギニン残基がシトルリン残基へ変換される。また、尿素生成の際にオルニチン回路におけるアルギニン生合成の中間体として重要である。


●有効性
俗に、「血流を良くする」「運動能力を高める」などと言われている。運動パフォーマンスに対して有効性が示唆されているものの、その他の有効性について、情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。


●安全性
通常の食品に含まれる量を摂取する場合、安全性が示唆されているが、妊娠中・授乳中は信頼できる十分な情報が見当たらないため、自己判断でのサプリメントなど濃縮物の摂取を控えること。



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法規・制度

■食薬区分
・L-シトルリン:「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料) 」に該当する。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・C6H13N3O3 分子量175.19 (32) 。
・スイカのシトルリン含量は約1.8 mg/g (0.5〜3.6 mg/g) と報告されている (PMID:16007998)

分析法

・・GS-MSで分析した報告がある (PMID:16007998)

有効性








循環器・
呼吸器


メタ分析
・2017年11月までを対象に4つのデータベースで検索できた無作為化比較試験8報 (検索条件:年齢≧18歳) について検討したメタ分析において、L-シトルリンの摂取は収縮期血圧の低下との関連が認められたが、試験によるばらつきが大きかった。一方、拡張期血圧との関連は認められなかった (PMID:30788274)


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

メタ分析
・2018年8月までを対象に3つのデータベースで検索できた無作為化プラセボ対照試験12報について検討したメタ分析において、健康な成人のシトルリンリンゴ酸塩またはL-シトルリンの摂取は、高強度の運動能力の上昇と関連が認められた (PMID:30895562)
RCT:海外
・定期的な筋力トレーニングを6ヶ月以上継続している成人15名 (平均23.67±2.41歳、イギリス) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、シトルリンリンゴ酸塩8 g (シトルリン4.21 g、リンゴ酸3.79 g) 含有ジュースをジャーマンボリュームトレーニング前に摂取させたところ、トレーニングの反復回数、血中乳酸値に影響は認められなかった。一方、トレーニング後72時間にかけての総筋肉痛の増加が認められた (PMID:30097067)
・レジスタンス運動経験が1年以上ある成人男性12名 (平均21.4±1.6歳、アメリカ) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、シトルリンリンゴ酸塩8 gをベンチプレス前に摂取させたところ、5セットの総反復回数、パワー、筋肉厚、主観的運動強度に影響は認められなかった (PMID:29210953)
・運動習慣のある健康な成人男性41名 (平均29.80±7.64歳、スペイン) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、L-シトルリンリンゴ酸塩8 g/日をベンチプレスの1時間前に単回摂取させたところ、リフト回数の増加、24〜48時間後の筋肉痛の低減が認められた (PMID:20386132)
・運動習慣のある健康な成人男性10名 (平均19±1歳、イギリス) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、L-シトルリン6 g/日を7日間摂取させたところ、収縮期血圧および平均動脈圧の低下、高強度運動時の酸素摂取動態指標 (平均応答時間) 短縮、筋内酸素動態指標 (組織酸素飽和度) 上昇、運動パフォーマンス (最大および平均パワー、運動耐久時間) 増加が認められた (PMID:26023227)

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

RCT:国内
・冷えを自覚している成人女性17名 (20歳以上、日本) を対象とした二重盲検クロスオーバープラセボ対照試験おいて、L-シトルリン800 mg/日を朝食後に13日間摂取させ、14日目の摂取4分後に15℃冷水にて1分間の左手冷水負荷試験を行なったところ、冷却負荷10分後の手首、手の甲中心、中心部 (手首と手の甲中心の平均値) 、20分後の手首の体表温度の上昇、冷却負荷30分後の冷えの自己評価 (VAS) 5項目中1項目 (手全体の冷え) の軽減が認められた。一方、冷却負荷後の血流量に影響は認められなかった (2019043833) 。
RCT:海外
・健康な成人20名 (19〜39歳、男性13名、女性7名、フランス) を対象とした二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ対照試験において、シトルリンリンゴ酸塩6 g×2回/日を3日間摂取させたところ、血中尿素、重炭酸濃度の増加が認められた (PMID:1930358)





試験管内・
動物他での
評価

安全性

危険情報

<一般>
・健康な男性8名 (27.6±1.5歳) を対象とした空腹時試験において、シトルリン2 g、5 g、10 g、15 gの単回摂取による有害事象は認められなかった (PMID:17953788)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

調べた文献の中に見当たらない。

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

総合評価

安全性

・適切に摂取する場合、安全性が示唆されている。
・摂取により、胃腸の不耐性、胃の不快感、胸焼け、肺高血圧症患者での頻尿、浮腫、咳を引き起こす可能性がある。
・妊娠中・授乳中は、信頼できる十分な情報が見当たらないため、自己判断でのサプリメントなど濃縮物の摂取を控えること。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらない、もしくは現時点で十分ではない。

参考文献

(31) 理化学辞典 第5版 岩波書店
(32) 生化学辞典 第4版 東京化学同人
(PMID:16007998) J Chromatogr A. 2005 Jun 17;1078(1-2):196-200.
(PMID:1930358) Arzneimittelforschung. 1991 Jun;41(6):660-3.
(PMID:30097067) J Int Soc Sports Nutr. 2018 Aug 10;15(1):42.
(PMID:29210953) J Strength Cond Res. 2018 Nov;32(11):3088-3094.
(PMID:30788274) Avicenna J Phytomed. Jan-Feb 2019;9(1):10-20.
(PMID:30895562) Sports Med. 2019 May;49(5):707-718.
(PMID:20386132) J Strength Cond Res. 2010 May;24(5):1215-22.
(PMID:26023227) J Appl Physiol (1985). 2015 Aug 15;119(4):385-95.
(2019043833) 薬理と治療. 2018;46(5):771-80.
(101) PubChem

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