健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

キダチアロエ (俗名:アロエ、医者いらず) [英]Kidachi Aloe [学名]Aloe arborescens Mill.

概要

キダチアロエは、多肉植物のアロエ類のひとつであり、南米アフリカ (ケープ、トランスバール地方) を原産とする。日本には江戸時代に渡来し、観賞用、薬用として「医者いらず」といわれ親しまれてきた。キダチは木立を意味し、鋭いトゲのある葉を伸ばしながら高くなる。俗に、「自然治癒力を向上させる」「血糖値を低下させる」「整腸作用がある」などと言われているが、信頼できる十分なデータは見当たらない。安全性については、アロエゲルを短期間、適切に摂取する場合、安全性が示唆されている。アロエラテックス (葉から得られる液汁を乾燥させたもの) は、危険性が示唆されており、過剰摂取はおそらく危険である。妊娠中や授乳中の摂取は、危険性が示唆されているため避ける。痔核の人は禁忌。接触性皮膚炎や急性肝炎の被害も多数報告されているため注意が必要である。 アロエ類のアロエベラ (キュラソーアロエ) 、ケープアロエはこちらを参照。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・キダチアロエの葉は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される (30) 。
・アロエの葉液汁は「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」に区分される。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・アロエラテックス (アロエの葉から得られる液汁を乾燥させたもの) はアントラキノン (aloin、isobarbaloin、emodin) 、aloesin、樹脂を含む (94) 。
・アロエゲルは単糖類や多糖類、タンニン、ステロール、酵素(シクロオキシゲナーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、アルカリホスファターゼ、カルボキシペプチダーゼを含む)、アミノ酸、サポニン、サリチル酸、アラキドン酸、脂質、ビタミン、ミネラルを含む (94) 。

分析法

・品質の指標として、barbaloinをUV検出器 (293 nm) 付HPLC により分析した報告がある (PMID:4019374)
・aloenin、barbaloinおよびisobarbaloinをmicellar electrokinetic chromatographyにより同時分析した報告がある (PMID:11254203)
・アロエドリンク中のbarbaloinおよびaloe-emodinをLC/MSにより分析した報告がある (PMID:12238148)

有効性








循環器・
呼吸器


調べた文献の中に見当たらない。


消化系・肝臓

調べた文献の中に見当たらない。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

調べた文献の中に見当たらない。

その他

調べた文献の中に見当たらない。





試験管内・
動物他での
評価

・成分の一つアロクチンAは、ヒトのT細胞および副細胞とともに培養すると、インターロイキンなどのリンホカイン類を生成する。また、試験管内でナチュラルキラー細胞 (NK細胞) 活性を促進し、腫瘍細胞に対する毒性を引き起こすという報告がある (23) 。
・アロクチンAは抗潰瘍 (胃酸分泌と胃壁損傷を阻害する) 活性を有する (23) 。
・キダチアロエに含まれるカルボキシペプチダーゼはラットの火傷に対して治癒効果が認められたが、予防効果の方が大きかった (23) 。
・レクチンは浮腫や関節炎に対して効果があることが報告されている (23) 。

安全性

危険情報

<一般>
・アロエゲルは、短期間、適切に用いる場合、安全性が示唆されている(94) 。
・アロエラテックスの摂取は危険性が示唆されており、過剰摂取は危険である (94) 。
・アロエラテックスによる有害事象として、腹痛、さしこみを起こす可能性がある。長期間の摂取では、下痢 (ときに血便、ときに下血をともなう) 、低カリウム血症、アルブミン尿症、血尿、腎炎、体重減少、筋力低下を起こす可能性がある (94) 。
<妊婦・授乳婦>
・妊娠中の摂取は、危険性が示唆されている。アントラキノンや葉抽出物により流産を誘発する可能性があるため、避ける (94) (29) 。
・アロエ製品の授乳中の摂取は、危険性が示唆されている。アロエラテックスや葉抽出物中のアントラキノンが母乳に移行する可能性があるため、避ける (94) 。
<小児>
・アロエラテックスや葉抽出物は、危険性が示唆されている (94) 。
<その他>
・糖尿病の人は、アロエゲルの摂取により血糖値を低下させる可能性があるため、注意が必要である (94) 。
・胃腸炎の人では、アロエラテックスの摂取により腸閉塞や急性腸炎、潰瘍、腹痛、吐き気、嘔吐を起こす可能性がある (94) 。
・腎障害の人は、アロエラテックスの摂取により腎機能を悪化させる可能性がある (94) 。
・アロエは血糖値に影響を及ぼす可能性があるため、外科的手術の少なくとも2週間前には摂取を中止した方がよい (94) 。
<被害事例>
【接触皮膚炎に関する被害】
・7歳男児 (日本) が、口の周囲に生じた落屑性皮疹にキダチアロエの汁液を塗布し、接触性皮膚炎を発症した (1984190692) 。
・39歳女性 (日本) が掻痒性皮疹にゼリー状のキダチアロエ果肉を外用し、皮疹が増悪した (1988016469) 。
・アロエとの接触の既往のない健常者10名 (日本) にキダチアロエジュース (鏡検にて針状結晶約100個/1視野 (×100) 確認) とキダチアロエジュース濾過液 (針状結晶認められない) を用いて48時間パッチテストを行った結果、キダチアロエジュースは擬陽性4名、陽性6名であったのに対し、キダチアロエジュース濾過液では擬陽性1名、陽性0名であったことより、アロエジュースに含まれるシュウ酸カルシウムの針状結晶が刺激性皮膚炎を惹起し得ることが示唆された (1988138905) 。
・39歳女性 (日本) が汗疹用皮疹にキダチアロエの葉ゼリー部分を3〜4回/日、4日間擦りこんだところ、掻痒感を伴う紅斑が出現し受診。パッチテストによりキダチアロエジュース (針状結晶が認められる) 陽性、キダチアロエジュース濾過液 (針状結晶認められない) 陰性、患部水疱内に針状結晶が認められたため、キダチアロエ葉のシュウ酸カルシウム針状結晶による接触性皮膚炎と診断、加療により回復した (1988138905) 。
・抗炎症性鎮痛性プラスターによるアレルギー性接触皮膚炎の既往歴のある66歳男性 (日本) が20日前から局所的にキダチアロエ・ゼリーを使用したところ皮膚のかゆみを訴え来院。肩、腰、腹部および四肢に大型の紅斑性、湿疹性プラークおよび丘疹が認められ、パッチテストによりキダチアロエ・ゼリーに陽性反応が確認されたことから、キダチアロエによる接触性皮膚炎と考えられた (PMID:7094571)
【その他の被害に関する被害】
・51歳女性 (日本) が、ダイエット食品3種 (キダチアロエ末など多成分を含む) を摂取後に右季肋部痛を主訴とした急性肝機能障害を発症した (2005128063) 。
・14歳女児 (日本) が痩身目的でセンナ茎末・茎エキス、キダチアロエなどを含む錠剤を1日3回 (通常は1日3錠、前日には1回10錠服用) 、1ヶ月服用したところ、急性腹症 (虫垂炎のように痛みや圧痛を伴い、緊急の手術が必要となるような腹部の重篤な急性疾患) を発症した (2006274130) 。
・57歳女性 (韓国) が、アロエタブレット (キダチアロエ250 mg+アロエベラ28.5 mg含有) を6ヶ月間摂取し、急性肝炎を発症した (PMID:20191055)
・マタタビ酒やドクダミ茶、クロレラなどを摂取していた50歳男性 (日本) が、3 cm幅の短冊様に切ったキダチアロエを10枚ほど直接摂取したところ、翌日より右季肋部痛が出現。十二指腸粘膜の浮腫および出血、血清アミラーゼ値および尿アミラーゼ値が高値であったため、短期間に大量に摂取したキダチアロエによる急性出血性十二指腸炎ならびに急性膵炎と診断された (1994189873) 。

禁忌対象者

・痔核の人は、狭窄や血栓症、脱出症を起こす可能性があるため、禁忌 (94) 。

医薬品等との
相互作用

<試験管内・動物>
・動物実験 (ラット) において、キダチアロエの摂取 (5週間) は肝臓のCYP2E1活性を阻害した (PMID:14507246)
<理論的に考えられる相互作用>
・アロエラテックスとワルファリンとの併用は、出血のリスクを高める可能性がある (94) 。
・アロエゲルと糖尿病治療薬、低血糖の可能性があるハーブやサプリメントとの併用は、低血糖のリスクを高める可能性がある (94) 。
・過剰量のアロエラテックスと強心配糖体を含むハーブや医薬品との併用は、毒性を増加させる可能性がある (94) 。
・アロエラテックスと利尿薬、刺激性緩下剤やホーステイルやリコリス、緩下作用のあるハーブ、との併用は、低カリウム血症を起こす可能性がある (94) 。
・アロエラテックスと経口薬の併用は、吸収を減少させる可能性がある (94) 。

動物他での
毒性試験

1.TDLo (最小中毒量)
・葉粉末を投与:ラット経口 15.5 g/kg/1週、211.83 g/kg/1年、169.13 g/kg/1年、867.22 g/kg/1年 (継続的) (91) 。

AHPAクラス分類
及び勧告

参考文献中に記載なし (22) 。

総合評価

安全性

・アロエゲルは、短期間、適切に用いる場合、安全性が示唆されているが、長期あるいは過剰摂取はおそらく危険である。
・アロエラテックスは、危険性が示唆されており、過剰摂取はおそらく危険である。
・妊娠中の摂取は、危険性が示唆されており、アントラキノンや葉抽出物により流産を誘発する可能性があるため、避ける。
・授乳中のアロエ製品の摂取は、危険性が示唆されている。アロエラテックスや葉抽出物中のアントラキノンが母乳に移行する可能性があるため、避ける。
・小児のアロエラテックスや葉抽出物の摂取は、危険性が示唆されている。
・痔核の人は、狭窄や血栓症、脱出症を起こす可能性があるため、禁忌。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・調べた文献中に十分なデータが見当たらない。

参考文献

(29) 牧野和漢薬草大図鑑 北隆館
(30) 「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(22) メディカルハーブ安全性ハンドブック 第2版 東京堂出版 林真一郎ら 監訳
(PMID:4019374) Assoc Off Anal Chem. 1985 May-Jun;68(3):493-4.
(PMID:11254203) J Chromatogr B Biomed Sci Appl. 2001 Mar 5;752(1):91-7.
(PMID:12238148) Shokuhin Eiseigaku Zasshi. 2002 Jun;43(3):122-6.
(1984190692) 皮膚病診療. 1984; 6(5):403-6
(1988016469) 西日本皮膚科. 1987; 49(2):236-41
(2005128063) 臨床薬理. 2004; 35(2):105-10
(1988138905) 皮膚. 1987; 29(2):209-12
(2006274130) 小児科臨床.2006;59(6):1081-7
(PMID:20191055) J Korean Med Sci. 2010 Mar;25(3):492-5.
(1994189873) 医薬の門.1994:34(2);142-6
(23) 天然食品・薬品・香粧品の事典 朝倉書店 小林彰夫ら 監訳
(94) Natural Medicines
(PMID:14507246) Asian Pac J Cancer Prev. 2003 Jul-Sep;4(3):247-51.
(91) Registry of Toxic Effects of Chemical Substances(RTECS)
(PMID:7094571) Contact Dermatitis 1982 8(3) 164-7

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