健康食品等の素材情報データベース

注意!(1) データの無断転用,引用、商用目的の利用は厳禁.(2) 以下の情報は現時点(最終更新日時)で調査できた素材の科学論文情報です. 実際に販売されている商品に以下の素材が含まれているとしても,その安全性・有効性がここに紹介した情報と一致するわけではありません.(3) 詳細情報として試験管内・動物実験の情報も掲載してありますが,この情報をヒトに直接当てはめることはできません.有効性については,ヒトを対象とした研究情報が重要です.(4) 医療機関を受診している方は,健康食品を摂取する際に医師へ相談することが大切です.「健康食品」を利用してもし体調に異常を感じたときは、直ぐに摂取を中止して医療機関を受診し,最寄りの保健所にもご相談下さい.

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項 目

内 容

名称

海藻 [英]Seaweed [学名]-

概要

昆布やワカメ、ヒジキなどに代表される海藻類は「ミネラルの宝庫」といわれ、カルシウム、リン、亜鉛、ヨードなどを多く含んでいる。この他にビタミン類やタンパク質もバランスよく含み、低カロリーであるため、優れた食品として注目を集めている。海藻に含まれる有用成分を抽出したものは海藻エキスと呼ばれ、さまざまに加工され市場にも出回っている。食物繊維を豊富に含み、俗に、「便秘を解消する」「コレステロールを下げる」などと言われているが、ヒトでの有効性については、信頼できる十分な情報が見当たらない。安全性については、サプリメントなどから摂取する場合、信頼できる十分なデータが見当たらない。その他、詳細については、「すべての情報を表示」を参照。

法規・制度

・海中の食用藻類は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に区分される(30)。
・「既存添加物」海藻灰抽出物は製造用剤でヨウ素強化に使用。ミネラル強化食品用。ノリ色素は着色料。海藻セルロースは増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊料。コンブエキス粉末は調味料。
・海藻由来の低分子化アルギン酸ナトリウムを関与成分とし「コレステロールが高めの方に適する」、低分子アルギン酸ナトリウムおよび寒天由来の食物繊維を関与成分とし「おなかの調子を整える」、フクロノリ抽出物(フノラン) を関与成分のひとつとし「歯を丈夫で健康に保つ」、海苔オリゴペプチド(ノリペンタペプチド(AKYSY)として)を関与成分とし「血圧の高い方に適する」保健用途をそれぞれ表示できる特定保健用食品が許可されている。

成分の特性・品質

主な成分・性質

・ミネラル、ビタミン、たんぱく質、硫酸多糖(ぬめり物質)、EPA、低分子アルギン酸ナトリウム

分析法

・フコキサンチンは、ワカメなど褐藻類に特有のカロテノイドであり、フコキサンチンのHPLCによる分析例が報告されている(PMID:10227153)
・海藻に含まれる多糖類(フコイダン・アルギン酸・ガラクタン・カラギーナンほか)の定量については、ポリマーを加水分解して生成した単糖をHPLCなどで測定する従来の方法は多くある。また、個別の分離・精製や構造決定の報告は一部あり、今後定量法を検討する上で参考になる(PMID:12526839)(PMID:11330683)(PMID:12062529)(PMID:11755912)(PMID:10075810)。しかしながら、ポリマーそのものについて一般化された定量方法は現在のところないと考えられる。

有効性








循環器・
呼吸器


一般情報
・低分子化アルギン酸ナトリウムを関与成分とし、「コレステロールが高めの方に適する」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。
・海苔オリゴペプチド(ノリペンタペプチド(AKYSY)として)を関与成分とし「血圧の高い方に適する」保健用途を表示できる特定保健用食品が許可されている。


消化系・肝臓

一般情報
・低分子アルギン酸ナトリウムおよび寒天由来の食物繊維を関与成分とし「おなかの調子を整える」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。

糖尿病・
内分泌

調べた文献の中に見当たらない。

生殖・泌尿器

調べた文献の中に見当たらない。

脳・神経・
感覚器

調べた文献の中に見当たらない。

免疫・がん・
炎症

調べた文献の中に見当たらない。

骨・筋肉

調べた文献の中に見当たらない。

発育・成長

調べた文献の中に見当たらない。

肥満

RCT
・過体重もしくは肥満の成人48名(試験群25名、平均41.5±2.5歳、アメリカ)を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、海藻由来のアルギン酸ナトリウム405 mg含有カプセルを、1〜7日目は食前30分に3カプセル/日、8〜10日目は検査前30分に2カプセル/回/日、それぞれ摂取させたところ、胃内容排出能、空腹時および食後の胃体積、食後の消化管ホルモン分泌量、満腹感、総摂取カロリーおよび主要栄養素摂取カロリーに影響は認められなかった (PMID:19960001)
・肥満の成人80名 (試験群38名、平均44.6±7.6歳、デンマーク) を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、エネルギー制限 (エネルギー必要量より300 kcal/日制限) とともに、食前に海藻由来の低分子アルギン酸ナトリウム15 g含有飲料を3回/日、12週間摂取させたところ、体重、体脂肪率の減少が認められたが、BMI、脂肪量、腹囲、糖代謝、血中脂質に影響は認められず、エネルギー制限による血圧低下効果の抑制が認められた (PMID:22648709)

その他

一般情報
・フクロノリ抽出物(フノラン)を関与成分のひとつとし、「歯を丈夫で健康に保つ」保健用途の表示ができる特定保健用食品が許可されている。





試験管内・
動物他での
評価

調べた文献の中に見当たらない。

安全性

危険情報

<一般>
・サプリメントなど、食品として摂取する以外の安全性については参考となる十分なデータが見当たらない。
<被害事例>
・II型糖尿病、C型肝炎・肝硬変、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症、腰部脊柱菅狭窄症、狭心症の既往歴があり、多数の薬剤とともに慢性甲状腺炎および甲状腺機能低下症のためレボチロキシンを服用中の68歳男性 (日本) が、根昆布10 gで作った多量の昆布水 (ヨウ素約13,000μg含有) を2カ月間摂取したところ、全身倦怠感を訴え、それまで安定していた甲状腺ホルモンおよびサイログロブリン値の上昇、TSHの低下が認められ、ヨード誘発性甲状腺機能亢進症と診断された。レボチロキシン中止後も改善せず、昆布水の摂取中止と加療により改善した (2017288139) 。
・54歳女性 (アメリカ) が2年間以上継続して摂取していたケルプサプリメント中に、83.6 mg/kgのヒ素が含まれていたため、記憶障害、嘔吐、下痢、疲労などのヒ素中毒症状を呈した (PMID:17450231)
・甲状腺がんで放射性ヨウ素治療を受けている55歳男性 (アメリカ) が、複数のサプリメントを摂取し、体内ヨウ素濃度が高値を示して治療の妨げとなった。摂取していた製品の表示にヨウ素含有の記載はなかったが、セレンサプリメント中のケルプがヨウ素源となっていた (PMID:19164199)
・45歳女性 (イタリア) が、体重減少を目的にケルプ含有のダイエット食 (ヨウ素1,800μg/日含有) を10日間摂取したところ、甲状腺機能亢進症状を呈し、約2ヶ月後に甲状腺機能低下症状を呈した (PMID:25355748)
・II型糖尿病の既往歴がある40歳女性 (スリランカ) が、糖尿病治療のため、自家製の中国茶 (白米、香料、昆布含有) を3杯/日、2ヶ月間 (初めの1ヶ月はメトフォルミンと併用、残りの1ヶ月は単独) 摂取したところ、黄疸、掻痒を呈し受診。摂取中止により改善し、中国茶中の昆布による肝毒性と考えられた (PMID:26157821)
・乳がんによる乳房切除および化学療法を受けている41歳女性 (中国) が、海藻を主成分とした中国ハーブ製品 (ヨウ素362.4 mg/kg含有) を約2年の間に500 g以上摂取し、甲状腺腫瘍を生じた (PMID:24433506)

禁忌対象者

調べた文献の中に見当たらない。

医薬品等との
相互作用

<試験管内・動物>
・動物実験 (ラット) において、Fucus vesiculosus 抽出物の同時摂取は、アミオダロン (抗不整脈薬) の血漿中濃度 (Cmax、AUC) を低下させた (PMID:23178632)

動物他での
毒性試験

調べた文献の中に見当たらない。

AHPAクラス分類
及び勧告

-

総合評価

安全性

・サプリメントなど、食品として摂取する以外の安全性については参考となる十分なデータが見当たらない。
・特定保健用食品では、個別に製品ごとの安全性が評価されている。

有効性

(注:下記の内容は、文献検索した有効性情報を抜粋したものであり、その内容を新たに評価したり保証したりしたものではありません。)
・特定保健用食品は個別に製品ごとの有効性が評価されているが、その他ヒトでの有効性については信頼できる十分な情報が見当たらない。

参考文献

(30)「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)
(PMID:10227153)Biosci Biotechnol Biochem. 1999 63(3):605-7.
(PMID:12526839)Carbohydr Res. 2003 338(2):153-65.
(PMID:11330683)Biosci Biotechnol Biochem. 2001 65(3):654-7.
(PMID:12062529)Carbohydr Res. 2002 337(12):1137-44.
(PMID:11755912)Carbohydr Res. 2002 337(1):57-68.
(PMID:10075810)Anal Biochem. 1999 268(2):213-22.
(PMID:17450231) Environ Health Perspect. 2007;115(4):606-8.
(PMID:19164199) N Engl J Med. 2009 Jan 22;360(4):424-6.
(PMID:19960001) Obesity (Silver Spring). 2010 Aug;18(8):1579-84.
(PMID:22648709) Am J Clin Nutr. 2012 Jul;96(1):5-13.
(PMID:23178632) Food Chem Toxicol. 2013 Feb;52:121-8.
(PMID:25355748) BMJ Case Rep. 2014 Oct 29;2014.
(PMID:26157821) ACG Case Rep J. 2013 Oct 8;1(1):55-7.
(PMID:24433506) Curr Pharm Biotechnol. 2013;14(9):859-63.
(2017288139) 日本病態栄養学会誌 2017 20(2) 223-228

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